2015年6月4日

お客様からのお便りのご紹介

昨年のやきもの体験にも参加していただいた粟田様からのお便りです。
今年の有田陶器市では、遠いところから2回もお越しいただいて、恐縮しております。こんなにも深く銀河釉を観察していただけて嬉し限りです。

夏銀河の青とは違う渋い青(?)の地釉に、大小の銀色の結晶が浮かんでいます。その銀色も肩から首にかけては鈍い金色味を帯びています。青も一様ではなくて、首の辺り、肩の一部、裾の辺りには、夏銀河を想わせる青味があります。
手に取って眺めていると、まるで、丸い器の奥に沈んだ青色の、静かな無重力空間が広がっていて、その空間に大小の、無数の銀色の星の欠片が浮かんでいる、そんなふうにみえてきました。
そして、個人的に好きな作家、宮沢賢治氏の銀河鉄道は、こんな宇宙空間を走っていたのかもしれないと、勝手なことまで想像してしまいました。

ちなみに、距離を置いて眺めると、また、少し違った印象を受けることにも気づきました。 結晶と地釉が視覚的に融け合うのか、独特の青の印象が和らいで、ちょうど今の季節、晴れた日の朝方の淡い空の青にみえてきます。丸い器の表面に鏤められた結晶が、光を受けると、白銀に近い輝きを放ちますので、それも、地釉の青を軽やかな印象にしてくれているようです。
勝手な想像なのですが、スーラの点描画と同じ理屈で、銀色の結晶と地釉が影響し合うことで、灰色を内包する青の印象自体が変わってみえているのかもしれません。

届いてからの数日間、作品を手に取りながら、あるいは眺めながら、そんなこんなに思いをはせました。そして、これから、さらに、日頃、狭窄状態の私の感性が刺激されていくような気がしています。

粟田様お便りより抜粋

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